Vol.7:上司とDNA(2)

「上司とDNA(1)」を書きながら、昔の上司のことを思い出していました。ちょっと、その時の話をここに書き留めてみたいと思います。

転職前の出来事です。ある製造業(仮にA社とします)から、半年以内にネットワークを統合し、同時に業務システムを導入したい、という案件がきました

A社は代々同属経営の企業で、社内は社長派と専務派に2分されていました。過去、某社(仮にB社とします)がA社のネットワークを構築し、その後、10年間メンテナンスを担当したこともあって、B社とA社ネットワーク担当部署の専務派筆頭であるX部長とは信頼関係ができている状態でした。

さすがに10年経ち、ネットワークも運営上不備が目立つようになってきたこと、A社の同業他社もネットワーク更改に乗り出し、新聞でもそのようなニュースが騒がれることが多くなってきたこと、などからA社社長もネットワーク更改の予算を認可しました。そして、A社側プロマネとして社長派筆頭のY部長が指名されました。当然、専務派のX部長は面白くありません。

とはいえ、突然指名された Y部長には弱点がありました。ネットワークのイロハも知らない上に、現在のネットワーク情報をX部長が握っていたのです。

Y部長は、まず、B社との関係を見直し、コンサルティングから入ってくれる会社を別に探すことにしました。別の会社を入れれば、Y部長はX部長との衝突を避けられ、現ネットワークからの移行もスムースに進む、と考えたのかもしれません。

そして、コンサルティングとネットワーク設計・構築の依頼が、当時私がいた会社に来たのです。

・・・・・当時私がいた会社のA社営業担当者は、このようないきさつを全く知りませんでした・・・・・

私の所属していた部署では、早速プロジェクトチームを構成し、作業に取り掛かかることとなりました。部署の先輩がプロマネ、私は上司からの「やるからには思い切ってやれよ」という暖かい(?)言葉付きでサブプロマネに指名されました。

入社2年から5年目の社員で構成された若いプロジェクトチームでした。私は、慣れない状況にとまどいつつも、やれるところからやってみよう、という気持ちで、少しずつ作業に取り組んでいました。が・・・我々とA社の調整は次第に暗礁に乗り上げていきました。現ネットワークの情報を握っているX部長が、我々への情報開示を拒んだためです。次第に作業スケジュールにも大幅な遅れが生じるようになりました。

X部長には、うちの会社が”使えない”ことを社長に示し、再度B社に依頼しようという考えがあったのかもしれません。うちの会社とのMTGものらりくらりとかわし、X部長は握っている情報を1ヶ月経っても開示しようとしません。

そこでプロマネは、A社営業担当者にX部長との状況調整を依頼したのですが、営業担当者は危険な雰囲気を察知したのか(?)全く依頼に応じません。

仕方なくプロマネと私は、Y部長にこの状況を報告し、”スケジュールの遅延のみならず、この状況が続くようではプロジェクトが破綻する可能性がある”ことを伝えました。Y部長は、社長にこの状況が伝わることを恐れたのか、その場しのぎ的に「状況は理解した。X部長と話し合うので時間が欲しい。」と言い残し、その後、我々からの連絡を避けるようになりました。

この時点で、ようやくプロマネと私はA社内の特殊事情を認識しました。

しかし、この案件を持ってきた営業担当者は逃げ、本来なら協力関係にあるはずのX部長、Y部長と調整が進まない(できない)状態に陥った後です。

この状況に、設計・構築を担当する現場の仲間のフラストレーションは頂点に達していました。

<つづく>

表の青山 | 2006年11月10日
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