Vol.32:「おかしいな」は要注意 |
先日、帰宅してTVをつけると、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を放送していました。その日は「明日から使える”仕事術”スペシャル」という特集でしたので、興味が沸いて途中まで見てしまいました。
番組中、危機管理術の所で
“社員の報告を聞きながら「おかしいな」と直感的に感じたことをメモできるようノートを持ち歩いている。聞いた話でも、ホントかと思うことがある。部下は、上司に対してネガティブな報告はしにくいものだから”
という話があり、ついつい頷きながら聞いていました。
私も「おかしいな」を放置し、”はまった”経験は多々あります。
最近も、こんなことがありました。
あるお客様から、e-Learningシステムの提案を依頼され、同僚(仮にAさんとします)と私が対応することとなりました。
Aさんは、SE歴は長いのですが、中途入社して間もないこともあり、私がサポートの形で入ることになったのです。
上司からも”サポートというより、Aさんが悩んだ時の相談係としてよろしく頼むよー”と言われて、つい気楽に引き受けたのですが・・・
Aさんに「何か手伝おうか?」と声をかけると「いえ、大丈夫です」
Aさんに「X社とY社との調整はしておこうか?」と聞くと「いえ、大丈夫です」
Aさんに「仕様書に当初予定にない機能が追加になっているけど、予算は大丈夫?」と言っても「いえ、大丈夫です」
と、常にAさんからは「いえ、大丈夫です」の返事しか返ってこないのです。
・・・何か・・・おかしいな・・・開発パートナーやお客様と機能追加について調整している様子が無いし、費用対コストについて考慮している様子も無いし、本当に予算枠に収まるんかぁ?・・・
と思ったのですが、私よりSE歴が長いこと、Mailや議事録を見る限り、お客様や開発パートナーとの調整でもトラブった様子も無いことから、安心してAさんに任せることにしたのです。私自身も他に案件を抱えていたため、これ以上負荷を増やしたくない、という気持ちもありました。
・・・それから2週間後・・・お客様より電話がきました・・・
「Aさんねぇ・・・突然、今の予算では、機能の追加はできない、って言い出したんだけど、どういうこと?solmicさんなら事情をご存知かと思って電話したんだ。」
・・・続けて、開発パートナーからも電話です・・・
「Aさんに(機能)追加分の見積を出したんですが、その後の処理はどうなっているのでしょうか?solmicさんが処理されているのでしょうか?」
・・・おいおいおいおいおい・・・どーゆーことかなー、Aさん?・・・
この状況でも「いえ、大丈夫です」を繰り返すAさんを連行し、早速事情聴取です。
Aさんは、お客様より機能の追加依頼を受けた時、「(予算不足で)できない」とは言えず「追加分の費用を後でお客様からもらえばよい」と考えたようなのです。が、考えた段階でStopしており、お客様とはこの件についての調整がなされていませんでした。orz
次にAさんは、開発パートナーに機能追加を依頼し、見積書を受け取ったものの、処理が分からず今まで手元に置いていた、というわけです。
・・・おいおい、子供の使いじゃないんだから、周りの人に聞けよぉ・・・
と思いつつ、「おかしいな」と感じた時に、Aさんと無理にでも会話すれば、こんな事態にはならなかったかもしれない、という思いもありました。
「おかしいな」もとい「・・・な予感がする」「・・・な気がする」というと”トラブルの芽”を象徴するKeywordのような気がしませんか。自分でも時々「あー、何か嫌な予感がするー」と思うことがありますが・・・これが・・・困ったことに、仕事ではほぼ100%的中するんですよね(笑)。
ですから、仕事で「あー、何か嫌な予感がするー」の場合は、何らかの対処を先回りして準備するようにしています。(とはいっても、怠慢から、後回しにしたり、放置してしまうことも無きにしもあらず、ですが)
番組は「トラブルは、小さな芽のうちに見つけて対応する」と締めくくっていました。
まさにその通り。返す言葉もありません。(^^;)
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上司においても、部下にしても結果を求められる物は仕事の進み具合を明確にしておかないと、トラブルが起こると今までの2倍も3倍もリカバリーに時間が掛かってしまいますよね。今団塊の世代が退くにあたり代わるものに技術を引き継げない問題が起こっているのも同じようなことなのでしょうか。上司が丸投げをしたり、部下も細か過ぎるとかうるさいとか言っているとトラブルが発生しやすいですね、やはりどんな時でもコミュニケーションが大事ですよね。家庭においても、最近我が家での会話が少なくなってきたのが心配です
恣聞さん、こんにちは
コミュニケーションは本当に大事だと思います。
室伏さんと仕事をして数年になりますが、コミュニケーション不足が引き起こすトラブル事例を見るにつけ、身につまされることが多いです。
solmicは、以前「先を読んで動く(1)」で、お客様がおっしゃっていた「周りが何となくセカセカしているような環境では”先を読んで動く”ことはおろか、考えることもできなくなってくる」という言葉が、ずっとひっかかっていました。そこで、この状況に遭遇したわけです・・・。「考えることもできなくなる」より「考えようとしなかった(考えたくなかった)」今回のケースは、より問題なのですよね。
「先を読んで動く」については、その後、色々な方と話しました。
そこでは「自分の仕事ではないものに手を出しても評価されない」という意識が、多かれ少なかれ、自分を含め、話した方全員の心の中にあることが分かりました。もしかしたら(直感的にトラブルに発展しそうなことが)分かっていても「自分の仕事ではないから・・・自分の評価に影響しないから・・」という思いから「先を読んで動く」ことを敢えて否定して、動かないことの方が多くなってきているのかもしれません。
団塊の世代の方々の「暗黙知」の継承を行うならば、形式知化と現場の意識改革、おそらく評価の考え方についても含めて見直すことが必要になってくるのではないかと感じています。
以前は、現場での助け合いは「困った時はお互い様」という感じで、もう少し自然にスマートにできていたような気がしますし、solmicもそう心掛けていたつもりでした。いやはや・・・大反省させられた一件です。