あなたの人生を輝かせるコミュニケーションの力
話すということ

3.話の組み立て (3/3)

結論

結論では、次のポイントをおさえましょう。

 @要約、確認
 A次のステップへの促し
 B挨拶

@要約は、本論でお話した3,4点のポイントを、短い言葉で繰り返して振り返ります。その時何をするかと言えば、きき手の態度、表情を見て、理解の程度を知ります。これが、確認です。もし、多くの方が理解できていないポイントがあれば、もう一度説明したり質問を受ける、後から補強の資料を送る約束をするなど、必要なフォローをします。

A次のステップへの促しが何を意味するかは、各プレゼンテーションの目的によって異なります。最初に申し上げたように、ここで扱うプレゼンテーションとは、"説明や提案、依頼、報告などをすることで、相手の行動や認識に変化を促す、あるいは合意や同意、意見や助言、協力を求める目的で行われる口頭での表現活動"でした。そうであれば、プレゼンテーションの結果、相手に期待することがありますね。営業活動の一環の提案プレゼンテーションであれば、今日のお話で製品の良さをご理解いただけたなら、次はご契約だったり、実物を見てもらうために工場に見学にお越しいただくことだったりさまざまですが、次の日程の調整くらいまではここで踏み込みたいものです。よく、営業担当者のプレゼンテーションを指導して感じるのが、この次へ促すことをしない方が過半数です。話すこと自体が仕事だとでも思っているのか、本論が終わるとほっとしてしまい、その後の促しなど、いくら事前に説明していても行わないのです。プレゼンテーションは、あくまでも何かの目的のためのツールです。そこをお忘れなく。

B挨拶も、次のステップに向けて、今日のお話がきき手の記憶に残るような工夫ができるといいですね。

以上で骨子はできました。さらに私が密かに心がけているヒントをいくつかお教えしましょう。

まず、問い掛ける表現をよく使います。こうすることで、たとえ数百人を対象とする講演でも、なるべく双方向のコミュニケーションに近づけ、きき手に考えてもらう、つまり主体的に参加していただけるようにしています。

また、きき手に合った例え話をたくさん用意し、理解してほしい大切なポイントの説明に引き続いて、お話しします。

きき手に参加していただく試みも効果的です。人の記憶に関するある調査では、話をきいて3日後には、きき手の頭には約10%しか残らないそうです。それが、ディスカッションをしてもらうと70%、さらに体験が加わると90%にもなるのだそうです。これを利用しない手はありません。
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