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2.アナリティカル/思考派のあなたの強みと弱み

新しいプロジェクトが始まる、プレゼンテーションが予定される、あるいは、プライベートで初めてゴルフに挑戦する、ちょっと大きなお買い物をする、などという時、あなたはまず、どうしますか?

WEBでサーチしたり、文献を読んだり、パンフレットを収集したり、必要な情報やデータを集めることからまず始めるのではないでしょうか?お一人で納得するまで調べ、考え、もれがないか細部まで注意を向けますね。もちろん、あなたが、“これで完全だ”ということはまずないのですが、行動に移したり決定しなければならない期限がくるまでの時間をたっぷりと使い、可能な範囲で情報を集め、考えられるリスクを最小限に抑える方法を画策し、忍耐強く、綿密に準備をすることでしょう。また、矛盾する点やあいまいな点は徹底的に調査するなど、いい意味で批判的な態度で臨み、鵜呑みにしません。

また、新しく人に出会う時も、用心深く、十分な注意を払いつつ徐々に親しくなっていき、安心してお付き合いできる方とわかってきてからは、強い繋がりを保ちますね。

セミナーでは、同じスタイルの方を集めて、ディスカッションして発表したり、マーカーでTシャツの絵を描いてもらうことがあります。そうすると、もっとも時間をかけて、準備をして下さるのが、この方々です。

発表は、順序だてて丁寧になさいますし、Tシャツは、ブルーや黒などクールな色使いが多く、縞模様などがよく描かれますが、縞の太さや間隔が、定規をあてたように正確です。また、Tシャツの襟口に、わざわざタグを描き入れ、“Cotton100% Made in U.S.A”というコワザを見せてくれることも。

以上のようなことは、他のスタイルの方々には、なかなかできないことです。あなたがそのように行動することで、ものごとは、思惑ではなく、手順を追って、客観的な合理性や整合性をもって進むことができます。また、後から、“こんなはずではなかった!”ということになる可能性を、事前に防いでくれるのです。あなたは、そのようにして、完璧をめざし、成功する確率を高める、プロフェッショナルです。

このような強みは、しかし、すぐに行動し結果を求めるドライバー/行動派には、理解されにくい場合があります。結果はそっちのけで、システム作りそのものや、秩序正しく高品質なプロセスの構築にかまけている、という誤解を招くこともあるようです。

また、人間関係の中でものごとを進めていくことを好むエミアブル/協調派や、エクスプレッシブ/感覚派には、軽いおしゃべりや、仕事以外の飲みなどにあまり加わらない、付き合いのわるいヤツという印象を与えることもあるかもしれません。たまに一緒に飲んでも、感情をあまり表さないので、楽しいのだかつまらないのだかわかりにくいし、そのくせ、突然、小難しい顔(と、エミアブル/協調派やエクスプレッシブ/感覚派には映る顔)をしたまま、いつから準備していたのだろう、と思われるような秩序だったギャグを淡々と言った日には、固まってしまうエクスプレッシブ/感覚派もいることでしょう。
こんな調査がありました。コンピュータ業界全体では、各スタイルがだいたい25%ずつに分かれるのですが、システム・エンジニアに限って見ると、その時の結果ではアナリティカル/思考派が35%と、有意に多いのです。そして、彼らは、自分で納得のいくクオリティーの仕事を納めようとする傾向が大変強く、納期の延長を依頼することがままあり、ともかく納期の死守を主張するドライバー/行動派の発注者と、トラブルになることがしばしば見られます。

4つのスタイルは、ハイパーストレス状態になって、いつものやり方では持ちこたえられなくなる、つまりキレると、やはり4つの様相を呈します。アナリティカル/思考派は、“回避的”つまり「問題を避ける」ようになります。貝のように黙ってしまう、身を引いてしまう、そこからいなくなってしまう、そして、そのあとは、あたかも何事もなかったかのように振舞う、という行動が見られます。ストレスが高まると、2つの軸がともに低いアナリティカル/思考派は、さらにその度合いを強め、主張も感情も抑制するのです。口数は、いつにもまして少なくなり、話すとしても、事実的、論理的側面に偏り、理屈っぽく機械的な様相を呈します。

そんな自分に気づいたら、自分を労わることを忘れないで下さい。労わり方のコツは、第3章をご覧下さいね。
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