あなたの人生を輝かせるコミュニケーションの力
あなたを活かす

4.エミアブル/協調派のあなたの強みと弱み

アナリティカル/思考派、ドライバー/行動派が、仕事を第一に考えるのに対して、人間関係、信頼関係をまず第一に考えるのがエミアブル/協調派です。仕事の場面でも、人間関係にそこはかとない緊張感があると落ち着かず、まず、いい関係を築いてから仕事をしていかないことには、と考えて行動します。人は、いい関係でいれば、いい仕事ができる、という信念があります。

いきなり本題に入る前に、絶妙なアイスブレークとなるあたりさわりのない世間話を提供し、いつも微笑を絶やさず、皆に気を配り、アフターファイブも付き合いのいいあなたに、どれほどの方の緊張が和み、助けられていることでしょう。

一人ではなく、チームとして動くことに強みがあります。自分の意見をおし通そうとするのではなく、聴き上手で共感的、チームの皆の意見を尊重し、縁の下の力持ちとなることをいとわず、忍耐強く、世話好きです。派閥の調整なども、このタイプの得意とするところですね。

評判が気にかかるので、いろいろな方の意見をきいたり、ユーザーズリストなどを調べるなどしてリスクを避けようとします。

セミナーでは、このスタイルを同じグループにすると、いい感じに和んで、ソフトな笑いが絶えず、穏やかに進んでいきます。絵を描いていただくと、人が手を繋ぎあっているモチーフや、オリンピックの五輪マークなどがよく出てきます。色使いは、とてもカラフルで、線や輪郭は鋭角的ではなく、まるっとした感じです。

さて、このグループのTシャツに、50%以上の確率で登場するマークがあるのですが、何だと思いますか?それは、Love & Peace、あの黄色いスマイル・マークです。これが、業種、お仕事、年齢、性別を問わず、あまりに頻繁にでてくるのには、驚かされます。まさにこのスタイルをよく表しているのでしょうね。

講演をすると、このスタイルの方が、かならず微笑みながら頷いて下さるので、救われます。また、マメな時候のご挨拶を下さり、訪問時には手土産などの心遣いを忘れず、お礼状などもきちんと書いて下さるのは、4つのスタイル中、一番です。落ち着いたペースと、適度な感情表現が、友好的な雰囲気を醸し出し、人を信用しサポートする手間を惜しみません。

しかし、まわりに気を使うあまりに、Noといえず、あちらにもこちらにもいい顔を見せて収集がつかなくなったり、一人で過剰な仕事を抱え込み、泣きたい気持ちになったことはありませんか?

なかなか決断できない態度は、ドライバー/行動派やエクスプレッシブ/感覚派からは、優柔不断と見られがちです。また、人間関係作りに時間とエネルギーをかけすぎて、仕事が二の次になってしまうことは、ありませんか?プレッシャーに弱い、人を信用しやすい反面騙されやすい、事実をあまり重視せず自分の感情や人の意見に影響されて決断をしてしまう、なども弱点ですね。また、意見や主張をする度合いが低いので、何かフラストレーションがたまるようことに出会ってもぐっと飲み込みますが、感情表現は豊かなので、あとあとそれを引きずる、俗にいう、“根に持つ”のもこのスタイルに、多く見られます。

以前に企業研修の場面で、エミアブル/協調派のインストラクターが、何かの説明をしていて、ちょっと曖昧な表現をしたのですね。すると、参加者から、“先生、それは〇〇ということですか?”というご意見がでました。インストラクターは、“ああ、説明が不明確で申し訳ありません。おっしゃるとおりです。”すると、別の方から、“先生、それは、〇〇ではなく、△△ではないでしょうか?”するとインストラクターは、”えっ、あ、そうですよねぇ、はい。いいご指摘をありがとうございまいした”すると、また他の方が“やっぱり〇〇だと思うのですが…。”インストラクター、“あ、そう、そうですよね。”この後、全員から、“先生、一体どっちなんです!”と詰め寄られ立ち往生なさっていました。これは、エミアブル/協調派がストレスでいっぱいの時に見せる状態で、“黙従的”「顔で笑って心で泣いて、黙って従う」です。

ドライバー/行動派のように、目立つ言動ではないので、まわりもご自身も見落としがちですが、早めに気づいて、自己管理を忘れないように気をつけて下さい。
| 4 | 第2章 自分を育てるへ