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6.スタイルの活かし方

どのスタイルにも、異なる強みと弱みがあり、だからこそ誰もが必要でかけがえがない存在なのだということが、おわかりいただけたのではないかと思います。4つのスタイルは、それぞれが25パーセントづつになるように物差しを調整しています。そして、どのスタイルも、どんなお仕事、どんな環境でも成功することがわかっています。ただ、成功への道が、4種類ある、ということです。

あるスタイルだけでチームを組むと、テーマが明確で短期(2,3ヶ月)の場合に限り、成功に繋がることがあります。しかし、一般的には、同じ強みがぶつかったり、困難なことが起こった時に、同じ弱みが災いして乗り越えられないなど、同質集団の弱さが出てきてしまいます。同じスタイルは、理解しやすい反面、同類嫌悪を感じる方もいます。チームとしては、各スタイルがそろっていて、しかも、スタイルの強みを活かせるような役割分担ができることが望ましいのです。

カップルを観察すると、お付き合いしているカップルでは同じスタイル同士という組み合わせも少なくありませんが、夫婦となると、これが意外に正反対のスタイル同士が多いのです。ここで正反対というのは、思考表現度、感情表現度、2つの軸がともに反対のことをさします。つまり、エクスプレッシブ/感覚派の奥様にアナリティカル/思考派のご主人、ドライバー/行動派のご主人にエミアブル/協調派の奥様、という組み合わせです。一般的にはもっとも理解しにくいスタイル同士なのですね。ところが、夫婦には、これが多いのです。セミナー後の懇親会で、参加者の方からご家族のお話がよく出るのですが、夫婦喧嘩も、ご主人様、奥様のストレスが高くなった時のスタイル(バックアップ・スタイル)通りで、感心することしきりです。

話がそれましたが、そう、なぜ、夫婦には、反対のスタイル同士が多いのか、ですが、これにはどうも人の叡智を感じてしまいます。夫婦のように、最も長い時間をともに過ごし、子供を育てたり、家庭を築いたりと、タフでハードな課題を克服していくことが予想される状況では、日常の快適さよりも、自分の弱みをフォローしてくれる、自分にはない強みを持っているパートナーを無意識で選ぶのではないか、と思うのです。皆さんの場合は、いかがですか?
| 6 | 第2章 自分を育てるへ