 話を聴くということ
			
			4.質問のスキル (8/10)
			相手の答えをコントロールすること?
話を聴くということ
			
			4.質問のスキル (8/10)
			相手の答えをコントロールすること?
			
			
			質問の形式で、相手の答えをある程度コントロールすることができます。“マーマレードはお好きですか?”と質問すれば、相手は“はい”か“いいえ”と答えますし、“フルーツ・ジャムでは、何がお好きですか?”と質問すれば、数あるジャムの中から、自由に好きなものをあげてきます。“スクランブルド・エッグはお好きですか?”と“卵は、どう料理するのがお好きですか?”でも同じですね。
			一般に、前者をクローズド質問、後者をオープン質問といいます。
			この質問の形式だけでも、意図的に使うことで、相手を追い詰めたり、Yesと言わせたりすることができるほどの力があるものです。
			それでは、それぞれのメリット、デメリットを考えてみましょう。
			以前、先輩インストラクターからこんなゲームを教えてもらったことがあります。参加者に、曖昧なメッセージを伝えて、これをクローズド質問3つ、オープン質問3つで明らかにしていく、というものです。ちょっとやってみましょう。
			「ホームにマスクをした男が立っています。その男めがけて、物凄い形相をした男が、突進してきます。」
			はい、まずクローズド質問を3つ受けます。
			“突進してくる男は、凶器を持っていますか?”―いいえ
			“ホームの男は、突進してくる男と顔見知りですか?”―はい
			“ホームには、電車が入ってきていますか?”―いいえ
			さあ、何が起っているか、はっきりしましたか?まだですね。
			それでは、次にオープン質問を3つどうぞ。
			“それは、何をやっているのですか?”―野球をしています
			…おわかりになりましたか?ホームベースのキャッチャーに向かって、ランナーが全速力で向かってきているのです。
			クローズド質問は、ききたいことにすぐ返事が返ってきますが、自分の認識の枠を越えられません。オープン質問は、ときに時間がかかりますが、たくさんの情報が得られます。同じ言葉でも、人によって意味が異なるということは、実際によくあることなのです。よほど意識しないかぎり、同じ認識には到達できません。