あなたの人生を輝かせるコミュニケーションの力
A New way of Improving & Caring for Oneself


                              室 伏 順 子
オプション・メニュー              ソフィア ヒューマン キャピタル(株) 代表取締役社長

 §37.話の組み立て (3/3)

3.結論

 結論では、次のポイントをおさえましょう。
  @要約、確認
  A次のステップへの促し
  B挨拶

 @要約は、本論でお話した3,4点のポイントを、短い言葉で繰り返して振り返ります。その時何をするかと言えば、きき手の態度、表情を見て、理解の程度を知ります。これが、確認です。もし、多くの方が理解できていないポイントがあれば、もう一度説明したり質問を受ける、後から補強の資料を送る約束をするなど、必要なフォローをします。

 A次のステップへの促しが何を意味するかは、各プレゼンテーションの目的によって異なります。最初に申し上げたように、ここで扱うプレゼンテーションとは、"説明や提案、依頼、報告などをすることで、相手の行動や認識に変化を促す、あるいは合意や同意、意見や助言、協力を求める目的で行われる口頭での表現活動"でした。そうであれば、プレゼンテーションの結果、相手に期待することがありますね。営業活動の一環の提案プレゼンテーションであれば、今日のお話で製品の良さをご理解いただけたなら、次はご契約だったり、実物を見てもらうために工場に見学にお越しいただくことだったりさまざまですが、次の日程の調整くらいまではここで踏み込みたいものです。よく、営業担当者のプレゼンテーションを指導して感じるのが、この次へ促すことをしない方が過半数です。話すこと自体が仕事だとでも思っているのか、本論が終わるとほっとしてしまい、その後の促しなど、いくら事前に説明していても行わないのです。プレゼンテーションは、あくまでも何かの目的のためのツールです。そこをお忘れなく。

 B挨拶も、次のステップに向けて、今日のお話がきき手の記憶に残るような工夫ができるといいですね。

 以上で骨子はできました。さらに私が密かに心がけているヒントをいくつかお教えしましょう。

 まず、問い掛ける表現をよく使います。こうすることで、たとえ数百人を対象とする講演でも、なるべく双方向のコミュニケーションに近づけ、きき手に考えてもらう、つまり主体的に参加していただけるようにしています。

 また、きき手に合った例え話をたくさん用意し、理解してほしい大切なポイントの説明に引き続いて、お話しします。

 きき手に参加していただく試みも効果的です。人の記憶に関するある調査では、話をきいて3日後には、きき手の頭には約10%しか残らないそうです。それが、ディスカッションをしてもらうと70%、さらに体験が加わると90%にもなるのだそうです。これを利用しない手はありません。




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■ 目 次 ■
プロローグ (2001.12.11)
第1章 自分を知る、自分を探す
T.人とのかかわりのなかで、自分をみつめなおす
 §1.コミュニケーションのタイプ (2001.12.27)
 §2.ソーシャル・スタイル (2002.01.08)
U.2つの切り口
 §3.思考表現度とは (2002.01.15)
 §4.思考表現度の高い方の特徴 (2002.01.22)
 §5.思考表現度の低い方の特徴 (2002.01.29)
 §6.感情表現度とは (2002.02.05)
 §7.感情表現度の高い方の特徴 (2002.02.13)
 §8.感情表現度の低い方の特徴 (2002.02.19)
V.4つのスタイル
 §9.人から見た私 (2002.02.26)
 §10. アナリティカル/思考派 の特徴 (2002.03.04)
 §11.ドライバー/行動派の特徴 (2002.03.12)
 §12.エミアブル/協調派の特徴 (2002.04.04)
 §13.エクスプレッシブ/感覚派の特徴 (2002.04.09)
 §14.自分が知っている私、人から見た私 (2002.04.17)
W.あなたを活かす
 §15.ソーシャル・スタイルの活かし方 (2002.04.23)
 §16.アナリティカル/思考派
                あなたの強みと弱み
(2002.05.07)
 §17.ドライバー/行動派の
                あなたの強みと弱み
(2002.05.13)
 §18.エミアブル/協調派の
                あなたの強みと弱み
(2002.05.27)
 §19.エクスプレッシブ/感覚派の
                あなたの強みと弱み
(2002.06.04)
 §20.スタイルの活かし方 (2002.06.14)
 §21.あなたの活かし方 (2002.06.20)
 §22.人との違いを知ることで見えてくるもの (2002.07.05)
 §23.ストレスなく相手と合わせるコツ (2002.07.16)
第2章 自分を育てる
T.相手の立場にたつということ
 §24.コミュニケーションの流れ (2002.07.24)
 §25.話のできる関係を作る (2002.07.30)
 §26.相手を知る (2002.08.09)
 §27.それに応える (2002.08.27)
 §28.合意する (2002.09.11)
U.話を聴くということ
 §29.聴くことの威力 (2002.10.07)
 §30.聴く力とは (2002.10.16)
 §31.対人過敏性 (2002.10.29)
 §32.質問のスキル 〜1/10〜 (2002.11.07)
   1.事実と意見 〜2/10〜 (2002.11.13)
   2.直接と間接 〜3/10〜 (2002.11.19)
   3.気にっていることと
            気に入らないこと
〜4/10〜 (2002.11.27)
   4.魔法の杖 〜5/10〜 (2002.12.06)
   5.問い返すということ 〜6/10〜 (2002.12.13)
   6.わからない時は? 〜7/10〜 (2002.12.19)
   7.相手の答えを
          
コントロールすること
〜8/10〜 (2002.12.26)
   8.5W1Hが教えてくれること 〜9/10〜 (2003.01.08)
   9.質問を受けるということ 〜10/10〜 (2003.01.16)
 §33.傾聴のスキル (2003.01.24)
 §34.情報マイニング (2003.01.30)
V.話すということ
 §35.話す目的 (2003.02.06)
 §36.準備すること (2003.02.14)
 §37.話の組み立て
   1.序論 〜1/3〜 (2003.02.21)
   2.本論 〜2/3〜 (2003.03.05)
   3.結論 〜3/3〜 (2003.03.14)
 §38.説明のスキル (2003.03.25)
 §39.話し方 (2003.04.01)
 §40.立ち居振舞い (2003.04.11)
W.納得していただくということ
 §41.創造的問題解決法 (2003.04.18)
 §42.交渉していく場合 (2003.04.25)
 §43.Noという場合 (2003.05.09)
X.喜んでいただくということ
 §44.自分を活かす (2003.05.16)
 §45.顧客満足 (2003.05.23)
 §46.ホスピタリティー (2003.06.05)
Y.自分を育てるということ
 §47.自分を育てるということ (2003.06.20)
第3章 新しい出発
T.セルフ・リーダーシップ
 §48.新しいリーダシップ (2003.08.29)
 §49.セルフ・リーダーシップ・スキル (2003.09.05)
U.セルフ・コントロール
 §50.思考・感情・言動の関係 (2003.09.12)
 §51.思考の働き (2003.09.19)
 §52.思考を変える、自分を変える (2003.09.26)
V.今を生きる
 §53.過去・現在・未来 (2003.10.03)
W.関係性から離れる
 §55.関係性の幻想 (2004.01.07)
 §56.個を生きる (2004.01.26)
 §57.知恵を取り戻す (2005.03.07)
 §58.知るということ (2005.03.07)
X.夢を育てる
 §59.必要なだけの努力 (2005.03.07)
 §60.あなたを満たす10のメニュー (2005.03.07)
 §61.あなたを満たすと起ること (2005.03.07)
Y.自分自身になる
 §62.価値の転換 (2005.03.07)
 §63.自分自身になる (2005.03.07)

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