あなたの人生を輝かせるコミュニケーションの力
A New way of Improving & Caring for Oneself


                              室 伏 順 子
オプション・メニュー              ソフィア ヒューマン キャピタル(株) 代表取締役社長

 §37.話の組み立て (2/3)

2.本論

 序論でいいスタートがきれ、きき手が興味を示しだしたら、本論に移ります。本論では、次のポイントをおさえて下さい。
  @きき手に対する理解、共感
  A能力の説明
  B今までの経緯、ニーズの確認
  Cポイントを3,4点
  D補強
  E想定質問への対応

 @きき手に対する理解や共感とは、きき手やお客さまの会社や業界について理解しているところを伝えたり、相手の立場に立って考え、疑問や不安などがありそうであればそれに対処します。

 A能力の説明とは、このプレゼンテーションのテーマに関して、自分にはどんな能力や経験があるかをお話しすることです。大げさに伝えると耳障りなものですが、さりとて何も触れずに進めていくと、きき手は、話の内容を理解しながら、同時にあなたの能力や経験を推察していくことにエネルギーを使うことになってしまうのです。

 B今までの経緯や、きき手のニーズについて、こちらの話を始める前に確認することは、きく側にしてみるととても大切なことです。あるコンピュータ・メーカーでは、プレゼンテーションの中で、これが行われないものは、それだけで大きな失点だそうです。その会社の営業部長は、“プレゼンテーションの中で、ここが一番大事でしょう?”とおっしゃいます。その意味がわかりますか?ピンとこない方は、§27「それに応える」をもう一度、読んでみて下さいね。

 Cポイントは、3,4点に絞ります。なぜなら、人がポイントとして認識するのは、2点から4点程度だからです。これ以上多くなると、その中でまた、2点ほどがポイントとして把握されることになります。そして絞ったポイントは、話の筋道を損ねない限り、重要なものから並べます。というのも、ビジネス・プレゼンテーションでは、途中で質問が入って時間がとられたり、キーマンが呼び出されて中座したり、予定されていた終了時間が切り上げられることがよくあります。ですから、そういう事態になっても困らないように、大事なことは前にもってくることをお勧めします。

 D補強というのは、Cで話したことを裏付ける証拠、事例、データ、統計、記事のことです。専門家や公平な第三者の論文、数字などがあれば、より確証性が高まります。製品の説明であれば、実物を見る、触る、体験する、味わう、操作することが、とりわけ説得力をもちます。

 E想定質問への対応というのは、きき手からの質問を受ける前に、よくきかれる質問や、理解を助ける質問を、こちらから持ち出して答えることです。“よく、〇〇という質問を受けるのですが、…” “ここまでの話をおききになって、皆さん、△△ということが疑問なのではないでしょうか?”と切り出して、それに答えます。もちろん、きき手から質問がたくさん出そうな時は、引き続き質疑応答に移り、その中で補充しても構いません。場合によっては何も質問が出ず、拍子抜けするようなこともあります。そういう時には、Eは役立ちます。





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■ 目 次 ■
プロローグ (2001.12.11)
第1章 自分を知る、自分を探す
T.人とのかかわりのなかで、自分をみつめなおす
 §1.コミュニケーションのタイプ (2001.12.27)
 §2.ソーシャル・スタイル (2002.01.08)
U.2つの切り口
 §3.思考表現度とは (2002.01.15)
 §4.思考表現度の高い方の特徴 (2002.01.22)
 §5.思考表現度の低い方の特徴 (2002.01.29)
 §6.感情表現度とは (2002.02.05)
 §7.感情表現度の高い方の特徴 (2002.02.13)
 §8.感情表現度の低い方の特徴 (2002.02.19)
V.4つのスタイル
 §9.人から見た私 (2002.02.26)
 §10. アナリティカル/思考派 の特徴 (2002.03.04)
 §11.ドライバー/行動派の特徴 (2002.03.12)
 §12.エミアブル/協調派の特徴 (2002.04.04)
 §13.エクスプレッシブ/感覚派の特徴 (2002.04.09)
 §14.自分が知っている私、人から見た私 (2002.04.17)
W.あなたを活かす
 §15.ソーシャル・スタイルの活かし方 (2002.04.23)
 §16.アナリティカル/思考派
                あなたの強みと弱み
(2002.05.07)
 §17.ドライバー/行動派の
                あなたの強みと弱み
(2002.05.13)
 §18.エミアブル/協調派の
                あなたの強みと弱み
(2002.05.27)
 §19.エクスプレッシブ/感覚派の
                あなたの強みと弱み
(2002.06.04)
 §20.スタイルの活かし方 (2002.06.14)
 §21.あなたの活かし方 (2002.06.20)
 §22.人との違いを知ることで見えてくるもの (2002.07.05)
 §23.ストレスなく相手と合わせるコツ (2002.07.16)
第2章 自分を育てる
T.相手の立場にたつということ
 §24.コミュニケーションの流れ (2002.07.24)
 §25.話のできる関係を作る (2002.07.30)
 §26.相手を知る (2002.08.09)
 §27.それに応える (2002.08.27)
 §28.合意する (2002.09.11)
U.話を聴くということ
 §29.聴くことの威力 (2002.10.07)
 §30.聴く力とは (2002.10.16)
 §31.対人過敏性 (2002.10.29)
 §32.質問のスキル 〜1/10〜 (2002.11.07)
   1.事実と意見 〜2/10〜 (2002.11.13)
   2.直接と間接 〜3/10〜 (2002.11.19)
   3.気にっていることと
            気に入らないこと
〜4/10〜 (2002.11.27)
   4.魔法の杖 〜5/10〜 (2002.12.06)
   5.問い返すということ 〜6/10〜 (2002.12.13)
   6.わからない時は? 〜7/10〜 (2002.12.19)
   7.相手の答えを
          
コントロールすること
〜8/10〜 (2002.12.26)
   8.5W1Hが教えてくれること 〜9/10〜 (2003.01.08)
   9.質問を受けるということ 〜10/10〜 (2003.01.16)
 §33.傾聴のスキル (2003.01.24)
 §34.情報マイニング (2003.01.30)
V.話すということ
 §35.話す目的 (2003.02.06)
 §36.準備すること (2003.02.14)
 §37.話の組み立て
   1.序論 〜1/3〜 (2003.02.21)
   2.本論 〜2/3〜 (2003.03.05)
   3.結論 〜3/3〜 (2003.03.14)
 §38.説明のスキル (2003.03.25)
 §39.話し方 (2003.04.01)
 §40.立ち居振舞い (2003.04.11)
W.納得していただくということ
 §41.創造的問題解決法 (2003.04.18)
 §42.交渉していく場合 (2003.04.25)
 §43.Noという場合 (2003.05.09)
X.喜んでいただくということ
 §44.自分を活かす (2003.05.16)
 §45.顧客満足 (2003.05.23)
 §46.ホスピタリティー (2003.06.05)
Y.自分を育てるということ
 §47.自分を育てるということ (2003.06.20)
第3章 新しい出発
T.セルフ・リーダーシップ
 §48.新しいリーダシップ (2003.08.29)
 §49.セルフ・リーダーシップ・スキル (2003.09.05)
U.セルフ・コントロール
 §50.思考・感情・言動の関係 (2003.09.12)
 §51.思考の働き (2003.09.19)
 §52.思考を変える、自分を変える (2003.09.26)
V.今を生きる
 §53.過去・現在・未来 (2003.10.03)
W.関係性から離れる
 §55.関係性の幻想 (2004.01.07)
 §56.個を生きる (2004.01.26)
 §57.知恵を取り戻す (2005.03.07)
 §58.知るということ (2005.03.07)
X.夢を育てる
 §59.必要なだけの努力 (2005.03.07)
 §60.あなたを満たす10のメニュー (2005.03.07)
 §61.あなたを満たすと起ること (2005.03.07)
Y.自分自身になる
 §62.価値の転換 (2005.03.07)
 §63.自分自身になる (2005.03.07)

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