あなたの人生を輝かせるコミュニケーションの力
A New way of Improving & Caring for Oneself


                              室 伏 順 子
オプション・メニュー              ソフィア ヒューマン キャピタル(株) 代表取締役社長

  §16.アナリティカル/思考派のあなたの強みと弱み

 新しいプロジェクトが始まる、プレゼンテーションが予定される、あるいは、プライベートで初めてゴルフに挑戦する、ちょっと大きなお買い物をする、などという時、あなたはまず、どうしますか?

 WEBでサーチしたり、文献を読んだり、パンフレットを収集したり、必要な情報やデータを集めることからまず始めるのではないでしょうか?お一人で納得するまで調べ、考え、もれがないか細部まで注意を向けますね。もちろん、あなたが、“これで完全だ”ということはまずないのですが、行動に移したり決定しなければならない期限がくるまでの時間をたっぷりと使い、可能な範囲で情報を集め、考えられるリスクを最小限に抑える方法を画策し、忍耐強く、綿密に準備をすることでしょう。また、矛盾する点やあいまいな点は徹底的に調査するなど、いい意味で批判的な態度で臨み、鵜呑みにしません。

 また、新しく人に出会う時も、用心深く、十分な注意を払いつつ徐々に親しくなっていき、安心してお付き合いできる方とわかってきてからは、強い繋がりを保ちますね。

 セミナーでは、同じスタイルの方を集めて、ディスカッションして発表したり、マーカーでTシャツの絵を描いてもらうことがあります。そうすると、もっとも時間をかけて、準備をして下さるのが、この方々です。

 発表は、順序だてて丁寧になさいますし、Tシャツは、ブルーや黒などクールな色使いが多く、縞模様などがよく描かれますが、縞の太さや間隔が、定規をあてたように正確です。また、Tシャツの襟口に、わざわざタグを描き入れ、“Cotton100% Made in U.S.A”というコワザを見せてくれることも。

 以上のようなことは、他のスタイルの方々には、なかなかできないことです。あなたがそのように行動することで、ものごとは、思惑ではなく、手順を追って、客観的な合理性や整合性をもって進むことができます。また、後から、“こんなはずではなかった!”ということになる可能性を、事前に防いでくれるのです。あなたは、そのようにして、完璧をめざし、成功する確率を高める、プロフェッショナルです。

 このような強みは、しかし、すぐに行動し結果を求めるドライバー/行動派には、理解されにくい場合があります。結果はそっちのけで、システム作りそのものや、秩序正しく高品質なプロセスの構築にかまけている、という誤解を招くこともあるようです。

 また、人間関係の中でものごとを進めていくことを好むエミアブル/協調派や、エクスプレッシブ/感覚派には、軽いおしゃべりや、仕事以外の飲みなどにあまり加わらない、付き合いのわるいヤツという印象を与えることもあるかもしれません。たまに一緒に飲んでも、感情をあまり表さないので、楽しいのだかつまらないのだかわかりにくいし、そのくせ、突然、小難しい顔(と、エミアブル/協調派やエクスプレッシブ/感覚派には映る顔)をしたまま、いつから準備していたのだろう、と思われるような秩序だったギャグを淡々と言った日には、固まってしまうエクスプレッシブ/感覚派もいることでしょう。
こんな調査がありました。コンピュータ業界全体では、各スタイルがだいたい25%ずつに分かれるのですが、システム・エンジニアに限って見ると、その時の結果ではアナリティカル/思考派が35%と、有意に多いのです。そして、彼らは、自分で納得のいくクオリティーの仕事を納めようとする傾向が大変強く、納期の延長を依頼することがままあり、ともかく納期の死守を主張するドライバー/行動派の発注者と、トラブルになることがしばしば見られます。

 4つのスタイルは、ハイパーストレス状態になって、いつものやり方では持ちこたえられなくなる、つまりキレると、やはり4つの様相を呈します。アナリティカル/思考派は、“回避的”つまり「問題を避ける」ようになります。貝のように黙ってしまう、身を引いてしまう、そこからいなくなってしまう、そして、そのあとは、あたかも何事もなかったかのように振舞う、という行動が見られます。ストレスが高まると、2つの軸がともに低いアナリティカル/思考派は、さらにその度合いを強め、主張も感情も抑制するのです。口数は、いつにもまして少なくなり、話すとしても、事実的、論理的側面に偏り、理屈っぽく機械的な様相を呈します。

 そんな自分に気づいたら、自分を労わることを忘れないで下さい。労わり方のコツは、第3章をご覧下さいね。




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■ 目 次 ■
プロローグ (2001.12.11)
第1章 自分を知る、自分を探す
T.人とのかかわりのなかで、自分をみつめなおす
 §1.コミュニケーションのタイプ (2001.12.27)
 §2.ソーシャル・スタイル (2002.01.08)
U.2つの切り口
 §3.思考表現度とは (2002.01.15)
 §4.思考表現度の高い方の特徴 (2002.01.22)
 §5.思考表現度の低い方の特徴 (2002.01.29)
 §6.感情表現度とは (2002.02.05)
 §7.感情表現度の高い方の特徴 (2002.02.13)
 §8.感情表現度の低い方の特徴 (2002.02.19)
V.4つのスタイル
 §9.人から見た私 (2002.02.26)
 §10. アナリティカル/思考派 の特徴 (2002.03.04)
 §11.ドライバー/行動派の特徴 (2002.03.12)
 §12.エミアブル/協調派の特徴 (2002.04.04)
 §13.エクスプレッシブ/感覚派の特徴 (2002.04.09)
 §14.自分が知っている私、人から見た私 (2002.04.17)
W.あなたを活かす
 §15.ソーシャル・スタイルの活かし方 (2002.04.23)
 §16.アナリティカル/思考派の
                あなたの強みと弱み
(2002.05.07)
 §17.ドライバー/行動派の
                あなたの強みと弱み
(2002.05.13)
 §18.エミアブル/協調派の
                あなたの強みと弱み
(2002.05.27)
 §19.エクスプレッシブ/感覚派の
                
あなたの強みと弱み
(2002.06.04)
 §20.スタイルの活かし方 (2002.06.14)
 §21.あなたの活かし方 (2002.06.20)
 §22.人との違いを知ることで見えてくるもの (2002.07.05)
 §23.ストレスなく相手と合わせるコツ (2002.07.16)
第2章 自分を育てる
T.相手の立場にたつということ
 §24.コミュニケーションの流れ (2002.07.24)
 §25.話のできる関係を作る (2002.07.30)
 §26.相手を知る (2002.08.09)
 §27.それに応える (2002.08.27)
 §28.合意する (2002.09.11)
U.話を聴くということ
 §29.聴くことの威力 (2002.10.07)
 §30.聴く力とは (2002.10.16)
 §31.対人過敏性 (2002.10.29)
 §32.質問のスキル 〜1/10〜 (2002.11.07)
   1.事実と意見 〜2/10〜 (2002.11.13)
   2.直接と間接 〜3/10〜 (2002.11.19)
   3.気にっていることと
            気に入らないこと
〜4/10〜 (2002.11.27)
   4.魔法の杖 〜5/10〜 (2002.12.06)
   5.問い返すということ 〜6/10〜 (2002.12.13)
   6.わからない時は? 〜7/10〜 (2002.12.19)
   7.相手の答えを
          コントロールすること
〜8/10〜 (2002.12.26)
   8.5W1Hが教えてくれること 〜9/10〜 (2003.01.08)
   9.質問を受けるということ 〜10/10〜 (2003.01.16)
 §33.傾聴のスキル (2003.01.24)
 §34.情報マイニング (2003.01.30)
V.話すということ
 §35.話す目的 (2003.02.06)
 §36.準備すること (2003.02.14)
 §37.話の組み立て
   1.序論 〜1/3〜 (2003.02.21)
   2.本論 〜2/3〜 (2003.03.05)
   3.結論 〜3/3〜 (2003.03.14)
 §38.説明のスキル (2003.03.25)
 §39.話し方 (2003.04.01)
 §40.立ち居振舞 (2003.04.11)
W.納得していただくというこ
 §41.創造的問題解決法 (2003.04.18)
 §42.交渉していく場合 (2003.04.25)
 §43.Noという場合 (2003.05.09)
X.喜んでいただくということ
 §44.自分を活かす (2003.05.16)
 §45.顧客満足 (2003.05.23)
 §46.ホスピタリティー (2003.06.05)
Y.自分を育てるということ
 §47.自分を育てるということ (2003.06.20)
第3章 新しい出発
T.セルフ・リーダーシップ
 §48.新しいリーダシップ (2003.08.29)
 §49.セルフ・リーダーシップ・スキル (2003.09.05)
U.セルフ・コントロール
 §50.思考・感情・言動の関係 (2003.09.12)
 §51.思考の働き (2003.09.19)
 §52.思考を変える、自分を変える (2003.09.26)
V.今を生きる
 §53.過去・現在・未来 (2003.10.03)
 §54.過去を生きる、今を生きる (2003.10.14)
W.関係性から離れる
 §55.関係性の幻想 (2004.01.07)
 §56.個を生きる (2004.01.26)
 §57.知恵を取り戻す (2005.03.07)
 §58.知るということ (2005.03.07)
X.夢を育てる
 §59.必要なだけの努力 (2005.03.07)
 §60.あなたを満たす10のメニュー (2005.03.07)
 §61.あなたを満たすと起ること (2005.03.07)
Y.自分自身になる
 §62.価値の転換 (2005.03.07)
 §63.自分自身になる (2005.03.07)

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