あなたの人生を輝かせるコミュニケーションの力
A New way of Improving & Caring for Oneself


                              室 伏 順 子
オプション・メニュー              ソフィア ヒューマン キャピタル(株) 代表取締役社長

 §32.質問のスキル (9/10)

8.5W1Hが教えてくれること

 さて、聴き方についてインタビューして驚いたのは、全員の方が“5W1Hできいていくことが大事”とおっしゃったことです。

 初めの2,3人がおしゃった時には、基本ね、と軽い気持ちでいましたが、4人、5人と続くうちに、真剣に驚きだしました。

 たとえば、ある新聞社の記者人生はまず事件・事故の警察取材から始まり、来る日も来る日も警察に行っては発表をきいてメモをとり、デスクに報告します。その際、事前にインタビュー・スキルやメモのとり方のレッスンがあるのかと思ったらとんでもなく、“5W1Hできいてくるように”と指導される程度なのだということです。

 そんなことなら簡単、と警察発表を一語一句もらさないつもりで書きとめ、デスクに報告すると、“Whoが足りない!”と。名前、年齢、住所、仕事など一通り情報はとってきているのに、どこが足りないのだろうとこわごわ尋ねると、年齢がダメだ、と。警察発表通り20歳と報告しているのにもかかわらず、ダメ出しされたのは、生年月日がないとのこと。生年月日によっては、インタビューした日には20歳になっているかもしれないけれども、事件がおきた日は19歳だったかもしれない。19歳と20歳では扱いも異なるし、生年月日なしには年齢をきいてきたことにならないそうです。

 なるほど、なるほど、と感心しながら、あることを思い出しました。まだ10代の頃、米国ケンタッキー州で、ハワイに住む日本人女性と何日か寝食をともにし、朝から晩までたくさんの会話をかわしていた時のことです。彼女が、ある日不機嫌そうに言うのです。“あなたの質問は、Whyばかりだわ”と。たしかに今でも私の質問はWhyが多く、その分、事実をきちんと把握するために必要なWhenやWhereが手薄になることがあります。

 そんなことを考えていたら、インド生まれのイギリス人作家ラドヤード・キプリングのこんな文章が目にとまりました。

 「私には6人の忠実な従者がいた。私の知識はすべて、この6人が教えてくれた。彼らの名前は、What, Why, When, Where, How, Whoである。」きっと彼もある時、5W1Hの威力を再認識し、この言葉を残したのではないか、と思うのです。




 前へ                              次へ

            
■ 目 次 ■
プロローグ (2001.12.11)
第1章 自分を知る、自分を探す
T.人とのかかわりのなかで、自分をみつめなおす
 §1.コミュニケーションのタイプ (2001.12.27)
 §2.ソーシャル・スタイル (2002.01.08)
U.2つの切り口
 §3.思考表現度とは (2002.01.15)
 §4.思考表現度の高い方の特徴 (2002.01.22)
 §5.思考表現度の低い方の特徴 (2002.01.29)
 §6.感情表現度とは (2002.02.05)
 §7.感情表現度の高い方の特徴 (2002.02.13)
 §8.感情表現度の低い方の特徴 (2002.02.19)
V.4つのスタイル
 §9.人から見た私 (2002.02.26)
 §10. アナリティカル/思考派 の特徴 (2002.03.04)
 §11.ドライバー/行動派の特徴 (2002.03.12)
 §12.エミアブル/協調派の特徴 (2002.04.04)
 §13.エクスプレッシブ/感覚派の特徴 (2002.04.09)
 §14.自分が知っている私、人から見た私 (2002.04.17)
W.あなたを活かす
 §15.ソーシャル・スタイルの活かし方 (2002.04.23)
 §16.アナリティカル/思考派
                あなたの強みと弱み
(2002.05.07)
 §17.ドライバー/行動派の
                あなたの強みと弱み
(2002.05.13)
 §18.エミアブル/協調派の
                あなたの強みと弱み
(2002.05.27)
 §19.エクスプレッシブ/感覚派の
                あなたの強みと弱み
(2002.06.04)
 §20.スタイルの活かし方 (2002.06.14)
 §21.あなたの活かし方 (2002.06.20)
 §22.人との違いを知ることで見えてくるもの (2002.07.05)
 §23.ストレスなく相手と合わせるコツ (2002.07.16)
第2章 自分を育てる
T.相手の立場にたつということ
 §24.コミュニケーションの流れ (2002.07.24)
 §25.話のできる関係を作る (2002.07.30)
 §26.相手を知る (2002.08.09)
 §27.それに応える (2002.08.27)
 §28.合意する (2002.09.11)
U.話を聴くということ
 §29.聴くことの威力 (2002.10.07)
 §30.聴く力とは (2002.10.16)
 §31.対人過敏性 (2002.10.29)
 §32.質問のスキル 〜1/10〜 (2002.11.07)
   1.事実と意見 〜2/10〜 (2002.11.13)
   2.直接と間接 〜3/10〜 (2002.11.19)
   3.気にっていることと
            気に入らないこと
〜4/10〜 (2002.11.27)
   4.魔法の杖 〜5/10〜 (2002.12.06)
   5.問い返すということ 〜6/10〜 (2002.12.13)
   6.わからない時は? 〜7/10〜 (2002.12.19)
   7.相手の答えを
          
コントロールすること
〜8/10〜 (2002.12.26)
   8.5W1Hが教えてくれること 〜9/10〜 (2003.01.08)
   9.質問を受けるということ 〜10/10〜 (2003.01.16)
 §33.傾聴のスキル (2003.01.24)
V.話すということ
 §34.情報マイニング (2003.01.30)
 §36.準備すること (2003.02.14)
 §37.話の組み立て
   1.序論 〜1/3〜 (2003.02.21)
   2.本論 〜2/3〜 (2003.03.05)
   3.結論 〜3/3〜 (2003.03.14)
 §38.説明のスキル (2003.03.25)
 §39.話し方 (2003.04.01)
 §40.立ち居振舞い (2003.04.11)
W.納得していただくということ
 §41.創造的問題解決法 (2003.04.18)
 §42.交渉していく場合 (2003.04.25)
 §43.Noという場合 (2003.05.09)
X.喜んでいただくということ
 §44.自分を活かす (2003.05.16)
 §45.顧客満足 (2003.05.23)
 §46.ホスピタリティー (2003.06.05)
Y.自分を育てるということ
 §47.自分を育てるということ (2003.06.20)
第3章 新しい出発
T.セルフ・リーダーシップ
 §48.新しいリーダシップ (2003.08.29)
 §49.セルフ・リーダーシップ・スキル (2003.09.05)
U.セルフ・コントロール
 §50.思考・感情・言動の関係 (2003.09.12)
 §51.思考の働き (2003.09.19)
 §52.思考を変える、自分を変える (2003.09.26)
V.今を生きる
 §53.過去・現在・未来 (2003.10.03)
 §54.過去を生きる、今を生きる (2003.10.14)
W.関係性から離れる
 §55.関係性の幻想 (2004.01.07)
 §56.個を生きる (2004.01.26)
 §57.知恵を取り戻す (2005.03.07)
 §58.知るということ (2005.03.07)
X.夢を育てる
 §59.必要なだけの努力 (2005.03.07)
 §60.あなたを満たす10のメニュー (2005.03.07)
 §61.あなたを満たすと起ること (2005.03.07)
Y.自分自身になる
 §62.価値の転換 (2005.03.07)
 §63.自分自身になる (2005.03.07)

Sophia Human Capital 2002-2005 (C) All Rights Reserved